携帯暖房具として、より便利なものが求められ温石→胴の火→懐炉灰→白金(ハクキン)懐炉→使い捨てカイロと姿を変え現在に至ります。こちらでは、麻炭(灰)を主原料とする懐炉灰タイプの製造工程や燃料(灰)・容器を貴重な写真と共に紹介します。
容器の大きさやデザインの多様さにも注目です。また、燃料である灰(練り灰)の箱デザインや売り文句も洒落ており
『身体ヲ温メルモノデアルガ単ニ暖ヲトルノミナラズ医学上カラモ其温熱ヲ利用シテ治療ニ応用シ得ルモノ・・・』
『薄月に小雨添ひ来る夜のふけは身の冷えしるし懐炉灰つぐ』という北原白秋の詩が書かれてあります。※写真右下の桃太郎灰
D 生焼けがないように棒でかき混ぜます。火が残らないように水を打ちます。その後粉砕工場へ運ばれ十分冷ました後に袋に詰められます
C 炎が出ないように水をかけ、蒸し焼きにします
出典:2004年度第2回企画展 『あったかく暮らす』より
編集:豊島区立郷土資料館
発行:豊島区教育委員会
B 原料30貫分(約112kg)を束ね燃やして釜に入れます
A 直径約1mの釜
@ 原料の麻殻。農家が栽培した麻殻を製造業者が収集します
麻(ヘンプ)の繊維をとった後に残る木質部を麻殻(おがら)と呼びます。先人達は麻殻を捨てることなく見事に活用していました。そのひとつに【暖房具】としての知恵があります。
暖房具の利用は古くからあったと思われますが、そのひとつに自然石などを温めて懐を暖める道具である温石(おんじゃく)があります。このような自然石を道具としたものから、更なる快適さを求めて懐炉(カイロ)が発明され、原料として麻炭(灰)は欠かせない存在でした。
出典:2004年度第2回企画展『あったかく暮らす』より 編集:豊島区立郷土資料館 発行:豊島区教育委員会
繊維をはいだ後の麻殻は、懐炉灰の原料としても利用されていました。現在でも国内の麻(ヘンプ)栽培者数・栽培面積ともに第1位である栃木県では1904年(明治37年)に懐炉灰の製造が始まりました。その製造工程を貴重な資料写真とともに紹介します。