乗鞍の麓に広がる小八賀郷の人々は日の登る山、乗鞍を信仰してきました。いつの頃からか伊太祁曾を祭神とするようになり、氏神として祀るようになりました。日抱尊のほかにヒダキソ・イタキソ・ダキソンなどの呼び方があり、大日如来を祀り乗鞍権現とも呼び、干ばつの時は、沢山の人が、ミノ笠をつけて、鐘や太鼓を鳴らしながら登山し、雨乞いをしたそうです。
1811年に、伊勢の皇太神宮が旗鉾地区の日抱尊へ飛んでこられたという噂が広まり、一日に2千人もの参詣者があり、茶屋がたち並び、この時に旗250本・剣20本・額19枚などが奉納された記録が残っている。旗鉾というユニークな地名はこれが由来といわれています。


左:「くだがい帳」
占い項目が記入された木の札と麻殻を繊維で縛る
毎年、百以上の占い項目の結果が記帳されている
右:神饌とお粥に入れる米や小豆、雑穀など
写真提供−旗鉾若連中
管粥祭は毎年、正月14日に氏神の境内で執り行われ、小豆・大豆・米・麻殻(ヘンプの茎)などを神前に神饌と共に供え祈り、それらをうるち米と小豆を主に、大豆や稗(ひえ)なども入れ大釜で「お粥」として煮ます。
前日に用意される、サワラという木の札に占う各品目を書き込み、6cm程に斜め切りした麻殻(ヘンプの幹)と一緒に麻の皮(ヘンプの繊維)で縛ります。
前日に用意される、サワラという木の札に占う各品目を書き込み、6cm程に斜め切りした麻殻(ヘンプの幹)と一緒に麻の皮で縛る。これを大釜で煮込むこと約40分。取り出したる麻殻を割って中に詰まった各粒の具合によりその年の吉凶を占うのである。特に小豆が入っていると縁起が良いとされる。この結果を占い帳に記帳し、お粥や御神酒を頂く。お粥は「食べると病気にならない」と言われており、参拝者や氏子らは無病息災を祈って頂いている。
飛騨の国(旧)大野郡丹生川村・旗鉾(はたほこ)地区の伊太祁曾神社(いたきそじんじゃ)には、今からおよそ600年前より始まると伝えられる【かゆ占い】が今もなお受け継がれています。春に作付けをする際、何の種を蒔いたら良いかを占ったのが始まりといわれる 管粥(くだがい)神事は高山市重要無形文化財指定を受けています。